佐藤常敬
徳島市で15日まで開催中の阿波踊りで、主催する実行委員会が中止を決定していた踊り手の催し「総踊り」は、一部の踊り手が13日夜、市内の歩行者天国で披露し、盛況だった。主導したのは、実行委と対立した一部の人気踊りグループ(有名連)でつくる阿波おどり振興協会。実現には、商店街の協力があった。
13日午後10時、歩行者天国となっている両国橋南詰周辺で、振興協会に所属する14連の1500人近くが集まった。三味線や鳴り物に導かれて女踊り、男踊りの順に列をなして演舞を披露すると、沿道から大きな歓声が起こった。踊りが終わると、「ありがとう」「良かった」といった言葉が踊り手たちにかけられた。振興協会の山田実理事長(天水連連長)は「胸が詰まる思い。今年の総踊りはこれでおしまいですが、来年も踊りたい」と話した。
福岡県からの来客と総踊りを見た徳島市の豊永彩子さんは「毎日見たいと思った」。主催者と踊り手の対立については、「何十年も積み上げてきたものが一回のごたごたで崩れ去ったみたいで、せつない気持ちになった。祭りを争いごとの種にするべきではない」と語る。
今回の対立の発端は、昨年まで…