日々勝負、目利きのだいご味 仲卸

有料記事

抜井規泰
[PR]

魚河岸ものがたり:2

 築地に約530ある水産仲卸の中でも、「て良(りょう)」の朝は特に早い。従業員は、終電で出社してくる。

 午前1時、店先の裸電球がともされた。仲卸の通路には、拳よりやや大きめの花崗(かこう)岩の「ピンコロ石」が敷き詰められている。裸電球の明かりが、常に水がまかれて乾くことのない石畳をぬらぬらと照らす。

 築地市場には、7社の「大卸」が全国の産地から水産物を集め、市場内の卸売場に運び込む。そこで仲卸業者が買い付け、場内のそれぞれの店に運び、注文してきたスーパーのバイヤーや、店に直接やって来るすし職人らに売る。

ここから続き

 「て良」の店先にはもう、前…

この記事は有料記事です。残り371文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら