熊本)立野ダム35年目の着工 安全性に不安の声も

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池上桃子 田中久稔 神﨑卓征 後藤たづ子
【動画】熊本・立野ダムの本体工事が着工=田中久稔撮影
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 白川の洪水対策として国が整備を進める立野ダム(熊本県南阿蘇村大津町)の本体工事起工式が5日、同村立野であった。事業開始から35年を経ての着工。治水と観光資源としての活用に関係者は期待を寄せる一方、ダムの安全性への不安や効果を疑問視する声もあり、反対するグループは抗議集会を開いた。

 立野ダムの建設予定地を見下ろす場所であった起工式には、国や県、白川流域の市町村、地権者、ゼネコンなどの関係者約200人が参加した。国土交通省九州地方整備局の伊勢田敏局長は式辞で、熊本市などで甚大な被害が出た1953年6月の「白川大水害」から65年目であることに触れ「白川沿線の安全、安心の向上に向けて本体工事に着工し、完成に向けて着実に事業を進めていく」と述べた。

 蒲島郁夫知事は、ダムの治水機能のほかに「今後は阿蘇ジオパークなど豊かな観光資源と相まって、地域振興の核となることも期待している」と祝辞。また「立野ダムに対しては一部の方々から疑問が出されている」と言及し、7月の西日本豪雨でダムの運用や情報提供のあり方が課題になっているとして、住民の理解を深めるための継続的な取り組みを国に求めた。

 会場には白川の水害の歴史や…

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