海遊館の大水槽を独り占め 涼しげな空間を360度で

竹谷俊之
【いきもの目線】太平洋水槽@海遊館=2018年6月2日撮影
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360度いきもの目線

 日本各地で猛烈な暑さが続く中、大阪市港区の水族館「海遊館」の中は別世界だ。「太平洋水槽」では、ジンベエザメやハンマーヘッドシャークなどの大型魚たちがのんびりと泳ぐ。こんな大きな水槽の中でごろんと寝そべることができたら、どんなに気持ちいいだろう。同館の協力で、水槽の最深部に360度カメラを設置した。

 太平洋水槽は深さ9メートル、最も長い部分は幅34メートル。水量にすると5400トンあり、「太平洋」の名の通り世界最大の海を表現している。約60種1500点を飼育。サメの仲間だけでも10種約100点を見ることができる。

 「最も存在感がある生き物は、2頭のジンベエザメですね」と話すのは飼育員の北谷佳万(よしかず)さん(48)。全長約4メートル、推定体重800キロのオスの海くんと、約5メートル、推定1100キロのメスの遊ちゃんだ。ジンベエザメは最大12m以上になる世界最大の魚類だが、体に似合わず餌はプランクトン。同館では、主にイサザアミやオキアミなどを、1日約6キロ与えているという。

 その餌の食べ方が面白いというので、特別にバックヤードに案内してもらった。

【動画】太平洋水槽の様子=2018年7月18日、竹谷俊之撮影

 1回目の餌やりは、毎朝10時30分。時間が近づいてくると、魚たちの泳ぐスピードが速くなったり浅い部分に上がってきたり、水槽の中がなんだかそわそわしてくる。えさの時間を理解しているのだろうか。ジンベエザメも、水面ギリギリを泳いでいる。

 魚によって餌が異なるため、餌やりポイントもそれぞれ決まっている。水槽の一角で飼育員がひしゃくで水面をたたくと、ジンベエザメが大きな口を開けて近寄ってきた。どんぶり大のひしゃくにすくったエサを口に入れると、「ゴォー、ゴォー」と激しい音を立てて海水と共に吸い込んでいった。ジンベエザメは、えらの鰓耙(さいは)でエサをこし取り、吸い込んだ海水はエラから出すという。迫力満点のお食事タイムだった。(竹谷俊之)

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