(時紀行:時の余話)ラッパで始まりラッパに終わる1日

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佐々木康之
【動画】海上自衛隊の一日にラッパは欠かせない=佐々木康之撮影
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 海上自衛隊の艦艇の一日にラッパは欠かせない。起床から消灯までの日課や行動の節目に号令を告げる。

 午前5時55分、「総員起こし5分前」と艦内放送が流れる。蚕棚のような2、3段のベッドで、乗員たちはじっと5分後を待つ。

 午前6時。「総員起こし」を号令するラッパが艦橋で吹かれ、マイクを通して艦内に響く。

 午前7時に朝食。そして午前8時に課業開始――。一日の仕事が始まるこの時間、自衛艦旗掲揚に合わせて「ラッパ君が代」が鳴らされる。

     ◇

 ちなみに、広島県呉市呉基地を始め、横須賀、佐世保、舞鶴、大湊など、陸上に職場がある海自の部隊では、自衛艦旗でなく日の丸を揚げ、いつも私たちが聴く「君が代」を流す。

 だが、例外がある。呉市の対岸・江田島の第一術科学校(通称一術校〈いちじゅっこう〉)。砲術、水雷、掃海、航海、通信など、艦艇運用の技術を教える教育機関だ。「一術校は昔のスタイルを崩していない」。航海科教官を務める1等海尉・野崎貴文さん(36)は強調する。

 一術校がある地は戦前、旧海…

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