仕事あきらめた妻へ「悪いことした」山田洋次監督の悔恨

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【動画】家族や妻について語る山田洋次監督=田渕紫織撮影
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 「男はつらいよ」をはじめ、日本の「家族」をテーマにした映画を撮り続けてきた山田洋次監督(86)。一貫して根底にあるのは、寅さんの妹「さくら」の視点だそうです。山田監督は「主婦」や「嫁」という言葉に引っかかるといいます。自身の経験を踏まえ「家族」について聞きました。

山田洋次監督

1931年、大阪府生まれ。東大法学部卒業後、助監督として松竹に入社。61年に監督デビュー。「男はつらいよ」の第1作を69年に公開。77年の「幸福の黄色いハンカチ」で日本アカデミー賞を受賞。「家族はつらいよ」シリーズ3作目の「妻よ薔薇(ばら)のように」が劇場公開中。

 ――山田監督の「家族はつらいよ」の最新作では、「主婦」がテーマでした。なぜいま主婦を?

 いま、ではなく、寅さんを作っているときから、いつも考えていたことです。

 妹の「さくら」は、実家の団子屋さんの共同経営者だけど主婦です。作品の中心的存在ですが、彼女はとても賢い人で、一緒に暮らしている家族や地域の人、自分の友達の心がよく読み取れ、生活を大事に暮らしている。だれかの言葉にあったけれども、教養とは人間関係に関する深い洞察じゃないかって。さくらさんは、この教養がある人で、そういう人がいてくれると、家族、地域、職場はうまくいく。

 だから寅さんはさくらに会いに戻るし、家族にいろいろな人が出入りします。地域と家族が垣根なく緩やかにつながっていくっていうかな。そんな光景はこの国から消えてしまいましたけどね。

■「主婦はつらいよ」物語…

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