官僚辞め、彼女待つ北海道へ 「働く目的」30年で激変

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丹治翔 野口みな子 篠健一郎
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 私はなぜ、働くのか。高度成長を果たした昭和は、仕事のやりがいに理由を見いだす人が多かった。低成長の平成に入ると、生活の楽しさに重きが置かれ、働き方は多様になっていった。しかし、旧来の価値観や制度は、完全に消え去ったわけではない。

 札幌市ベッドタウンとして発展する北海道江別市で、介護保険を担当する北島裕介さん(35)。3月まで、厚生労働省広報室の係長だった。国会でも取り上げられた裁量労働制をめぐり、報道機関への対応に夜遅くまで追われる日々だった。

 社会人採用で、4月に市役所に転職。給料は当時から3割ほど下がった。それでも「家賃が安くなり、自炊を始めたので食費もあまりかからなくなった」と気にしていない。

 厚労省には2008年、介護予防の枠組みを作りたいと入省。ポストが上がり、政治家らへ政策を説明する機会が増え、やりがいを強く感じていた。「仕事をすることが自分のアイデンティティーと感じる部分があった」

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 考えが変わるきっかけになっ…

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