余命宣告後の結婚・笑顔 彼女が残した「今を生きる」姿

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島脇健史
【動画】生前の山下弘子さんについて語る夫の前田朋己さん=島脇健史撮影
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 がんのために19歳で「余命半年」と宣告され、今年3月25日に25歳で亡くなった神戸市の山下弘子さん。闘病しながら自身の体験を語る講演をしたり、生命保険会社のCMに出たりして「今を生きる」ことを訴えてきた。「勇気をもらえた」とがん患者らから悼む声が広がっている。

 3月27日深夜、神戸市の通夜の式場に中年の男性が訪れた。「彼女は命の恩人だ。焼香させてほしい」

 弘子さんと同じ肝臓がんだった。自暴自棄になり、会社を辞めて、治療も拒んだ。だが、弘子さんの活動をブログなどで知り、「こんな若い子が頑張っているのなら」と治療を始め、2月に再就職したという。

 弘子さんの夫で兵庫県議の前田朋己(ともき)さん(38)に男性が書いた手紙には「私の術後の人生は、彼女の活動から派生した力で得た時間といってもいいかもしれません」とつづられていた。

 弘子さんは立命館大在学中の2012年に肝臓がんが見つかった。摘出手術を受けたが、13年に肺への転移と肝臓がんの再発が判明。このころ、同じ大学出身の前田さんと知り合った。

 病院と自宅の往復ばかりにな…

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