勝利導くプレー、田臥勇太から学んだ 井上雄彦さん対談
漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(51)とバスケ選手の対談企画の新シーズン第7回は、川崎ブレイブサンダースの主将で司令塔の篠山竜青選手です。
井上 チームの主将に就いて4シーズン目。すっかり板についてきましたね。
篠山 最初はすごくストレスがありました。インタビューを受けても「向いていないと思う」なんてこぼしていましたから。けど、主将は限られた人しか務められないもの。任せてもらえることに感謝しなきゃいけない、と思うようになりました。
井上 自分自身はどんな主将だと思いますか。
篠山 言葉やプレーで周りをグイグイ引っ張るのが格好良いとは思いますが、僕の性格には合いません。チームメート各自に合ったかたちでコミュニケーションを取りながら、一人ひとりをノリでくっつけていって、大きな輪をつくるイメージでやっています。
井上 私も高校3年のときは主将でした。スラムダンクの主人公のチームで主将を務める赤木剛憲のように、自分はこんなにがんばっているのに、なんで周りはやらないんだ、なんて思うタイプでした。人のことを全然理解していなかった。コミュニケーション力が無かったと思いますね。赤木のキャラに当時の自分の性格が反映されてると思います。
試合中に停電したときの対応が、バスケファンの間で話題になりました。
篠山 2月に島根で行われた試合ですね。いつ復旧するか分からず、会場全体に不安が広がっていました。会場のMCさんや島根のマスコットが、そんな空気をなごませようとがんばっていた。僕も何か出来ないかと思い、観客席のお客さんとパス交換をして、シュートを打ちました。こんなことで喜んでもらえるのは、自分がプロ選手だから。その立場に今、たどり着けているからこそ、出来たことです。子どもの頃、バスケの試合を見に行き、選手からリストバンドをもらったことがあります。それが鮮明に残っている。ファンの記憶に残る選手になりたいです。
井上 大学を出た後は、東芝…
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