(食紀行)黒毛に負けぬ 伝説の赤身 無角和牛@山口県阿武町

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棚橋咲月
【動画】山口県だけで飼育される幻の牛=金子淳撮影
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 赤身のうまさが際立つ、山口県だけで飼育される幻の牛。

 広々とした高台の牧草地を、のんびりと牛たちが歩いていた。ツヤのある黒毛、ずんぐりとした胴、短い脚。何よりも、角がない頭が目を引く。全国で唯一、山口県で飼育が続く無角和牛だ。

 島根との県境にほど近い阿武町。その山あいに開けた繁殖センターでは121頭を飼育している。厳しい寒さが和らぎ、春の兆しが感じられるようになった3月、屋外での放牧が始まった。ここで20カ月間育てて、毎月3頭を出荷する。飼育担当の矢次利典さん(57)は「無角は小さい頃たくさんいた。家でも飼っていたよ」と話すが、今では県全体でも200頭に満たず、「幻の牛」と呼ばれる。

 その始まりは1世紀前。欧米…

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