(時紀行:時の余話)燃料は廃材で…「誇り高き」塩作り

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堀江麻友
【動画】弓削島の島民たちが手探りで開発した「弓削塩」=堀江麻友撮影
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 瀬戸内海に浮かぶ弓削島は、「サイクリングの聖地」として知られるようになった瀬戸内しまなみ海道が通る広島県・因島の南東にある。フェリーや高速船の航路が多く、因島からだと最短10分で渡れる。

 NPO法人「弓削の荘」の製塩所は、「弓削瀬戸」と呼ばれる海に面し、かつて大工の作業場だった建物をそのまま使っている。塩作りの燃料は町内外から集めた廃材で、コストカットが主な目的だ。村上知貴さんは「ガスは費用がかかりすぎて使えない。燃料はすべて地域の人からいただいたもの。使えるものはすべて使っている」と話す。

 弓削塩の生産量は月に約100キロ。「ビジネスとしては成り立っていない。塩を売るのが目的ではないので、宣伝もそこまでしていない。でも、歴史に後押しされて自然に広まっていく」と村上さん。「あなたが取材に来たのもそういうことでしょ」と笑った。製塩所の近くに住む浜長子さん(76)は「弓削には歴史があるので、島の塩を誇りに思う」と喜んでいた。

 弓削塩は、知貴さんの妻・律…

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