公式戦29連勝、朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)での優勝、記録4部門の1位独占……。2017年度の藤井聡太六段(15)は、まさに縦横無尽の活躍だった。史上5人目の「中学生棋士」の快進撃は様々なメディアで繰り返し取り上げられた。
名人戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)につながる順位戦では、C級2組から一つ上のC級1組への昇級を決めた。王座戦(日本経済新聞社主催)では、あと4勝で挑戦権獲得という位置まで勝ち上がっている。多くの棋士たちが、「いつタイトル戦で挑戦してもおかしくない」と口をそろえる。
3月、藤井六段に今後の目標を聞く機会があった。「タイトルを目指していかないと、という思いはあります」と答えつつ、やや意外なことを口にした。
「これからは、強くなるため…
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