父の「一緒に飛び降りたい」今では笑い話 アルペン狩野

有料記事

西村奈緒美
[PR]

 アルペンスキー狩野亮(32)=マルハン=は14日、今大会4種目目となる大回転に臨んだ。2010年バンクーバー、14年ソチで金メダルを獲得したが、今大会は表彰台に届いていない。それでも世界の舞台で戦う姿を、両親は晴れ晴れとした表情で見守っている。

 狩野はへそから下の感覚がない。小学3年の通学時に交通事故に遭い、脊髄(せきずい)を損傷、車いすの生活になった。事故までは日が暮れるまで遊んでいる子どもだった。「こんな生活嫌だ」と母の照美さん(60)にきつくあたり、運動会やドッジボール大会の前になると、学校に行くのを嫌がった。苦しむ我が子を前に、両親も悩んだ。

 ある日の夜更け、照美さんは夫の操(みさお)さん(59)の姿がないことに気づいた。家の中を捜すと、狩野のベッドの脇にいた。「亮の人生はもう終わった。一緒に飛び降りてしまいたい」。操さんにとっても、トンネルの中にいるような日々が続いた。

ここから続き

 転機は1998年、長野パラ…

この記事は有料記事です。残り459文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら