汚れたトイレ、実家の異変 告知受けた父に笑顔が戻った

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高橋美佐子
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もうすぐ父が死んでしまうので:2(マンスリーコラム)

 「えっ?」

 久しぶりに実家の2階に上がって、私は仰天した。

 何げなくのぞいた父の和室に、数え切れないほどのコンビニ袋が散らばっている。どの袋にも読み終わった夕刊紙や週刊誌が2、3部ずつ押し込まれ、畳を覆っていた。その1年ほど前、「お父さんに『片付けるなっ』ってすごく怒られる」と母から訴えられたことを思い出した。

 ふと、父の部屋の隣のトイレが気になった。長らく頻尿に悩まされる父が夜中に何度も起き、ここで用を足すことは知っていた。

 カチャッ。

 ドアを開けた途端、思わず後ずさりした。便器は昔の公衆便所並みに激しく汚れ、強烈な異臭を放っている。しばらく掃除していないのは一目瞭然。

 「な、なんで?」

 私はぼうぜんとしながら、ドアを閉めた。

 これは、ちょうど1年前の2…

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