両性が納得する格差解消、「男性稼ぎ手モデル」脱却から

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千葉雄高
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たぶん、僕らの問題です――男女格差114位の国って? 田中俊之・大正大学准教授に聞く

 ――ジェンダーギャップ(男女格差)で主に不利益を受けているのは女性。田中さんは「男性学」の研究者ですが、今、男性目線で考える意味は。

 「ジェンダー論とは、性別が自分の生き方にどう影響を与えるか考えること。例えば『女性は家事育児を』という価値観は、『男性は仕事を』という価値観の裏返しです。とりわけ男性がこの仕組みを理解しないと、男女の不平等は解決に向かいません」

 ――この連載の初回に登場した社会学者の上野千鶴子さんから、「男性はコストを払う分、利益も得ている」と指摘されました。

 「『女性の方が大変』では、男性が主体的に考える前に話が終わってしまう。フェミニズムは理不尽な女性差別と戦う中で、ある意味では『強い言葉』を発せざるをえなかった。ただそういう言葉は、女性差別の深刻さを理解しようとする男性を黙らせる一方で、問題を考えようとしない男性には響きません。さらに言えば、被害者意識を持つような男性の感情には火に油を注ぐ結果になる。戦略的にメッセージを出す時代になっていると感じます」

 ――でも現実は、昨年の世界経済フォーラムの男女格差ランクで「114位」。今も女性はひどい状態に置かれているのでは。

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 「その通りですが、1つの指…

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