愛犬「きなこ」、トリュフ発見から1年 迷い犬との友情

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笠原雅俊
【動画】愛犬「きなこ」と遊び友達の「コルグ」=笠原雅俊撮影
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 1年前、散歩中にトリュフを見つけて人気者になった高知県馬路村の「うまじのパン屋」の愛犬きなこ。一年の月日が流れて子犬からすっかり大きくなった。きなこが村に来てから、日曜日になると遊ぶ友達がいる。実はきなこが馬路村に来るきっかけになった犬だ。

 友達の名はコルグ。オスで、推定10歳。2016年11月19日夕方、村のエコアス馬路村の事務所に迷い込んだ。連絡を受けて駆けつけた村役場の動物担当だった乾大樹さん(33)が保護した。

 村内放送で「飼い主はいませんか」と呼びかけた。2日過ぎても飼い主は現れない。誰かが村外から車に乗せてきて、捨てていったらしい。安芸市の安芸福祉保健所に引き取られた。

 3週間後、乾さんは会議のため保健所を訪れた。ふと気になって、「あの犬、どうなりました」と尋ねた。檻(おり)の中にいた犬と目があった。乾さんを悲しそうな目で見つめ、「ワンワン」と鳴いた。

 乾さんは犬を引き取って家に連れて帰った。一緒に住んでいた祖母は96歳で亡くなったばかり。「なんだか情がわいてしまいました」。親戚から犬小屋をもらい、コルグと名付けた。コルグとの暮らしが始まった。

 乾さんが出勤する朝は、コルグは車をいつまでも見送る。帰った時は玄関でそっと待つ。「家で僕の帰りを待ってくれる存在です」と話す。休日には車に乗せてドライブするのが楽しいそうだ。「あの会議がなかったらコルグはどうなっていたか。運命ですかね」

 パン屋を営む前田奉基(たて…

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