防波堤代わりに沈めた駆逐艦 建造100年の存在意義
奥村智司
【動画】ドローンから見た軍艦防波堤=北九州、日吉健吾、金子淳撮影
第1次大戦で地中海に派遣された旧日本海軍の駆逐艦「柳」が、北九州市若松区の港にその姿をとどめている。第2次大戦後、防波堤代わりに沈められたものだ。今年で建造から100年。その船体は今に何を伝えているのだろうか。
二月十二日火曜 晴 暖 警戒航行中午後一時二十分 本艦左舷側に向ひ魚雷の航跡を認め(略)直に大砲を発射し攻撃し(略)敵艇も二隻程居たるもの如(ごと)く前后(ぜんご)潜望鏡を出し……
第1次大戦終盤の1918年、地中海に遠征していた柳の船上で、海軍兵だった故・山川重成氏(1896~1983)が書いた日記。前年に造られた柳が連合国の船の警護にあたり、敵国ドイツのUボート(潜水艦)と戦った緊迫した日々がつづられている。
2014年、福岡市の自宅で見つかり、娘の喜多十二枝(とじえ)さん(74)が保管している。偶然にも日記が見つかった数カ月後、今度は「柳の設計図が発見」と新聞で報じられた。
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40年に除籍になり、練習船…
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