ケンとチャコはなぜオトナ帝国を作ったか(小原篤のアニマゲ丼)

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 イメージフォーラム映像研究所(東京・渋谷)の「クリティカル・ライティング講座 “映画の見方”を考える」の講師をしないかと声をかけられまして、計8回のうち第3回(12月20日)を引き受けることになりました。講師陣に読売新聞記者の恩田泰子さんや映画評論家・特殊翻訳家の柳下毅一郎さんらお知り合いの名もある中で、私の講義のお題は「アニメーション批評を書いてみる」。しゃべるに当たっての問題は、受講者の皆さんがどのくらいアニメを見る人たちなのか?ということです。

 教室に集まったのは約30人。おそらくはシアター・イメージフォーラムで上映するようなアート系のミニシアター作品を中心に見る映画好き&映画マニアで、「映画について書くこと」について学びたいと考えている方々。とりあえず講義の冒頭で質問してみました。「アニマゲ丼を読んだことがある人は?」。4人……。「ジブリアニメなら大体見ている?」。ああ大体見てますね。「君の名は。」は? 半分より少し多いかな。では「この世界の片隅に」は? おっ「君の名は。」より多い! じゃあ少しハードルを上げて「心が叫びたがってるんだ。」は? あー、だいぶ少なくなりましたね。なるほどなるほど。

 アニメネタとしては「君の名は。」「ハウルの動く城」「この世界の片隅に」「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」など、メジャーなタイトルを仕込んで講義に臨みましたが、まずは「映画評には何が必要か?」というオハナシから始めました。

 映画記者として必要だと考え…

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