こころの色は空の色(小原篤のアニマゲ丼)

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 スタジオ「神風動画」が自主制作したCGアニメ「COCOLORS(コカラス)」が東京・下北沢のトリウッドで公開中です。46分の中編ながら、長編に負けない重みと深い感動を与えてくれる秀作です。色を失っていく絶望的な世界で、色を捜し求めてあがく物語。そして観客もまた、表情のないキャラクターから様々な「こころの色」を読み取っていく作品です。

 昨年、スクリーンに無音の映像を映しステージの声優とミュージシャンがナマで音をつけるというライブイベントで話題となった作品で、そちらは見逃していましたが、この度の上映はちゃんと声も音楽もつけてある「完全版」、料金もお手頃な一律千円。公開初日の2日に同劇場で横嶋俊久監督によるティーチインがあるというので、取材してきました。

 人体を溶かすバクテリアを含んだ有害な灰が降り注ぎ、空と地上を覆っている世界。人々は地下深くに街を築き、一生脱ぐことのないマスクと防護服に身を包んで生きる。ホラ吹きの少年アキは地上で物資を捜す回収班の一員となり、病弱な親友フユのためきれいな色の石を持って帰る。絵の好きなフユは、石を粉にしてカラフルな版画を刷る。その絵はアキの語る「色にあふれた地上の世界」だ。絵の色は少しずつ増えていくが、世界も街も灰色の絶望にむしばまれていく……。

 キャラはみな宇宙服か潜水服…

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