拡大する写真・図版特別養子縁組した2人の息子を育てた男性。心の傷の回復につながればと、「愛着障害」などについて書かれた本を読んでいる=神戸市

小さないのち 育ちを支えて

 神戸市の60代の夫妻には、血のつながらない2人の息子がいる。長男(30)は2歳のとき、次男(29)は5歳のときに施設から里子として迎え入れ、特別養子縁組で戸籍上も実の親子になった。長男はバイク事故の後遺症で障害者施設に通い、次男はうつ病の治療を続けている。2人の心の傷の深さに気づいてやれなかったことを、夫妻は悔いている。

 新しい家庭に来た子どもたちは、大人の愛情を確認するために問題行動を起こす「試し行動」をとることがあると、縁組の仲介に関わった民間団体から聞いていた。幼い頃よく泣いたり、過剰に食べたりすることはあったが、本当の困難は思春期にやってきた。

 長男は中学に入ると暴力事件を…

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