目立たぬけれど憧れの終着点 奈良を愛した河島英五

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【動画】故・河島英五が愛用したバイクなどが飾られているカフェ。長男の河島翔馬さんがオーナーだ=佐藤圭司撮影
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(都ものがたり 奈良)

 「同じ古都なのに、京都の方が脚光を浴びることが多く、とても残念です」

 記者はこの夏まで2年余り、奈良で勤務していたが、こんな嘆き節を奈良の人から何度も聞いた。そのたびに「それでも」と思う。「河島英五が奈良を愛してくれたじゃないか」と。

 「私たち一家の初詣は、東大寺の大仏様。家族でどこかに出かけるとなると奈良か神戸、奈良の方が多かったな。父は飛鳥も好きでした。石舞台古墳にもよく連れて行ってくれました」

 英五の長女でタレントのあみる(39)は、そう振り返った。

 英五は生粋の大阪生まれの大阪育ちだが、奈良を訪れることが多かった。小中高と幼なじみだった妻の牧子(まきこ、64)とのデートも奈良が多かった。「父が母を撮った写真は、奈良のものが多い。例えば、奈良公園の中の池に浮かぶ浮見堂(うきみどう)辺りとか」。三重県境にある御杖(みつえ)村の小さな小学校に頼まれて校歌をつくったこともある。

 もちろん、大阪とも縁は深い。JR大阪環状線の桃谷駅の発車メロディーは代表曲の「酒と泪(なみだ)と男と女」。桃谷駅の近くでライブハウスを営んでいた英五が、大阪人に強烈な印象を残した証しなのだろう。

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 英五の墓は、猿沢池の南に広…

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