赤ちゃんの命救う法律、小さな墓並ぶ「天使の庭」が原点

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編集委員・大久保真紀
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小さないのち みんなで守る

 No Shame, No Blame, No Names(恥じることなく、非難されず、匿名で)――米国カリフォルニア州で2001年に施行された「赤ちゃん安全保護法」のスローガンだ。15年末までに769人の赤ちゃんが保護されたこの法律は、ひとりの主婦の思いから始まった。

 ドラ、ネイザン、マシュー……。名前と日付が刻まれた小さな墓石は100を超える。道路などに捨てられ、亡くなった赤ちゃんたちが葬られている。

 ロサンゼルス市から車で東に約1時間半、カリメサという町にある大きな墓園。その一角に「天使の庭」はある。近くに住んでいたデビ・ファリスさん(61)が始めた。ここは、カリフォルニア州が定めた「赤ちゃん安全保護法」の原点ともいえる地だ。

 1996年5月末。夕食の準備をしていると、テレビのニュースがファリスさんの耳に飛び込んできた。

 カバンに入れられた赤ちゃんの遺体を、高速道路脇で工事をしていた人が見つけた、というものだった。

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 「なぜ?」…

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