似合いすぎるハイジ、似合わなすぎるワンダーウーマン(小原篤のアニマゲ丼)

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 26日公開の「ハイジ アルプスの物語」と、25日公開の「ワンダーウーマン」。アニメやマンガでおなじみの高名なヒロインが活躍する実写映画ですが、どちらもいい出来です。ハイジ役の子が、やんちゃな笑顔でアルプスの大自然に似合いすぎ。ワンダーウーマンは、ギンギラ派手なコスチュームが西部戦線(第1次世界大戦)の泥まみれの戦場に似合わなすぎ、でもそれがキモとなって驚きの快感を呼ぶドラマに! 今回は、そんなお話です。

 原作はスイスのヨハンナ・シュピリが1880年に発表した児童文学、そして1974年に高畑勲監督らによるテレビアニメが放送され、そのイメージが世界に広がった「ハイジ」は、2005年に英国で実写映画化され、スウェーデンの名優マックス・フォン・シドーが「アルムのおんじ」を演じるというので驚きましたが、映画全体の出来としてはイマイチでした。スイス・ドイツ合作の「ハイジ アルプスの物語」は、「おんじ」がスイスの名優ブルーノ・ガンツ!というのでまたまた驚きました。製作チームが脚本を送るとすぐに出演を快諾、「ハイジは国民的な物語だから。スイスはチョコレートとチーズだけじゃない。2000メートルの高山に住み、ヤギや大自然を愛する女の子でも有名なんだ」というのがその理由だそうです。

 1年間のアニメシリーズが体に染みこんでいる身には、2時間弱の映画はいかにも駆け足な印象でそれは05年版と変わらないのですが、今作はキャストとロケ撮影の素晴らしさで押し切りました。500人の候補者から選ばれたハイジ役のアヌーク・シュテフェンさん(撮影時9歳)は、縮れっ毛にふっくらホッペにアヒル口で、干し草ベッドに飛び込み、ヤギとぴょんぴょん駆け回り、乳をガブ飲みし、山の上の湖や花畑に目を輝かせます。

 クララ役も透き通る肌に金髪…

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