姉を奪った原爆、写真集めて38年 被爆者代表の誓い

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真野啓太
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 長崎に原爆が落とされて72年となった9日、長崎市平和公園で開かれた平和祈念式典では、被爆者代表の深堀好敏(ふかほりよしとし)さん(88)=長崎市=が「平和への誓い」を読み上げた。姉の死を原点に原爆写真の調査を続けて40年近く。これからも原爆の被害を伝え続けると、新たな誓いを立てた。

 原爆で死んだ姉のことが今も胸につっかえている。深堀さんが被爆したのは16歳のとき。爆心地から離れた学徒動員先にいたため無事だったが、翌日には倒壊した親戚の家で、18歳の姉・千鶴子さんが事切れているのを見つけた。

 前夜にも姉のところへ向かったが、町は火の海になっていると聞いて、途中で諦めていた。誓いでは、心境をこう語った。

 《無理をしてでも家に帰っていれば、せめて最期に声をかけられたのではないかと、今でも悔やまれてなりません。》

 戦後は病院の事務職員として働く傍ら、原爆を伝える活動に取り組んできた。1970年には、いち早く語り部になったが、「言葉だけじゃ、当時の惨状は言い尽くせない」と、79年に仲間6人で原爆写真の収集と調査を始めた。

 以来、この38年間で、手にした写真は4千点を超える。県内外で原爆写真展を開き、2013~15年には長崎市による米国立公文書館での写真調査を任された。

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 そんな深堀さんが今、懸念す…

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