反骨の写真集「ピカドン」復刊 長く絶版、56年ぶり
西岡一正
反骨の報道写真家として知られる故福島菊次郎さん(1921~2015)の最初の写真集「ピカドン―ある原爆被災者の記録」が先月、56年ぶりに復刊された。
「ピカドン」は1961年の刊行で、反体制運動や自衛隊、防衛産業などをテーマとした福島さんの「原点」だ。長らく絶版だったが、出版社「復刊ドットコム」(東京都港区)の編集者・政田美加さん(56)が復刊を企画した。友人を介して「ピカドン」を知った政田さんは「時代が求める写真集」と確信。56年前の写真集をスキャンして復刊にこぎつけた。
福島さんは山口県下松市出身。50年代初めに広島市の被爆者中村杉松さんから「わしの仇(かたき)を討ってくれ」と、撮影を頼まれた。妻に先立たれて6人の子どもを抱え、原爆症と貧困に苦しんでいた。撮影は約10年に及んだ。
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「ピカドン」は写真約100…
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