もしも魔法が解けたなら(小原篤のアニマゲ丼)

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 ジブリらしさはタップリ。でも、何か足りない。それは「最大公約数」をハミ出すいびつな「異物感」と、「イイハナシダナー」と思わせる感動場面。その原因は、どこにあるのか? 「メアリと魔女の花」の論考です。ネタバレです。

 スタジオジブリの制作部門解体を受け、「かぐや姫の物語」「思い出のマーニー」の西村義明プロデューサーが、「マーニー」で組んだ米林宏昌監督の新作を作るため、2015年4月にスタジオポノックを設立。その第1回作品として提案したのが英の女性作家メアリー・スチュアートによる児童文学。不思議な花の力で魔法が使えるようになった女の子がホウキで空を飛ぶ冒険ファンタジーです。

 「『魔女の宅急便』と比べられることになるので『えっ、イヤだな』と思ったけど、西村プロデューサーとしては確信犯的に持ってきた」と米林監督が言う通り、比べられるし「似ている」とも言われるのは覚悟の上で、みんなが求める「ジブリらしさ」を真っ正面から引き受けようという企画。無論そこには、新スタジオ第1作として確実にヒットを狙おうという計算もあったでしょう。

 完成した「メアリと魔女の花…

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