豪雨から命守るために 積極的に情報収集、SNSも駆使

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 九州北部を襲った記録的な豪雨で、大きな被害がでています。今月に入り、新潟などでも大雨による浸水や土砂災害が起きています。命を守るためにどう備えればよいのでしょうか。

 九州北部の豪雨では、福岡県大分県などで「避難指示(緊急)」が出され、一時、44万人以上が対象となった。

 洪水など災害発生の危険性がある場合、自治体は住民に向けて避難情報を出す。緊急度が高い順に、「避難指示(緊急)」「避難勧告」「避難準備・高齢者等避難開始」の三つの区分がある。

 ただし、避難情報が出る前でも危険を察知して行動することが大切だ。

 昨夏、台風10号による水害で死者・行方不明者計21人にのぼる被害が出た岩手県岩泉町。小川(こがわ)地区の自主防災協議会長守田敏正さん(67)は「当日は夕方から急に雨脚が激しくなった。2、3時間後にはっと気づいたら川の水がうなりをあげて増え、川と道路の区別がつかなくなった。道は寸断され、電話は通じなくなった」と振り返る。町から避難場所に指定されていた公民館も土砂で埋まり、入ることができなかったという。

 町からは、一つの地区を除き、避難勧告は出なかった。守田さんは「自治体は住民一人ひとりの状況を見て避難勧告や避難指示を出すわけではない。自分の目や耳や肌で危険を感じたら、避難情報が出ていなくても逃げて」と訴える。

 避難時の行動を研究する阿部郁男・常葉大学教授は「テレビやラジオ、インターネットなどで自ら積極的に気象情報などを集めることが大切」と強調する。

 雨量は気象庁のホームページで、国管理のすべての河川と都道府県管理の一部の河川の水位は、国土交通省のホームページで随時更新される。河川によっては固定カメラの画像もネット上で見られる。

 早め早めの行動が原則だが、阿部教授は「避難は明るいうちに行い、夜の避難は極力避けるべきだ」。夜は足元が見えにくく、水が迫っていてもわかりづらいからだ。屋外に出るのが危険と判断した場合、自宅の2階など高い場所に移動する。また、土砂崩れしそうな場所が自宅近くにある場合も、2階など高い場所に移動するなど、土砂で埋まる確率が低い場所に身を置くようにする。救助が必要な場合は119番通報だけでなく、SNSを使って救援要請することも有効という。

 ツイッター社は同社サイトで、電話がつながらない場合の救助要請の手段として、ツイートに場所や氏名などを具体的に記し、位置情報やハッシュタグ「#救助」をつけることを勧めている。

■避難路を複数把握、普段の備…

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