隠れ待機児童ワースト10の自治体は 数え方にからくり

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足立朋子
【動画】待機児童問題をいちから解説!=根本寿彦撮影
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 保育園に申し込んで落ちたのに、住んでいる自治体が「待機児童ゼロ」と発表しました。どうしてなのでしょう? その背景には、待機児童の対象に含まれない「隠れ待機児童」と呼ばれる子どもたちがいるのです。

 朝日新聞は主な自治体を対象に、今年4月時点の隠れ待機児童の数を集計しました。最も多かったのは横浜市の3257人、次いで川崎市の2891人でした。ところが、待機児童数は横浜市が2人、川崎市は「ゼロ」と発表しています。さいたま市も隠れ待機児童数が1434人いるのに、待機児童数は0です。

 「なぜ堂々と『ゼロ』なんて言うのか」。川崎市に住む40代の女性会社員Aさんは、憤りを隠せません。

 Aさんには、昨年7月に生まれた子どもがいて、妊娠している時から保育園に入れるための「保活」を始めました。15の認可保育園に申し込みましたが、すべて落選。今年2月末になって抽選で認可外の保育園に入れることがようやく決まり、なんとか4月から復職することができました。

 しかし、通っている認可外の保育園は、自宅からひと駅半ほど離れています。建物は狭く、保育士が少ないせいか、お散歩に連れ出してもらえません。Aさんは、もっと家に近く、人手のある認可保育園に転園できるよう、いまも申し込み続けています。

 しかし、Aさんの子どもは待機児童に含められなかったのです。

 待機児童は「認可保育園に入…

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