「聖の青春」大崎善生さんが出会った、藤井将棋の原風景

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大崎善生
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 プロデビューから半年、驚異の戦績を上げる藤井聡太四段(14)の強さの源はどこにあるのか。長く将棋界をみてきた作家の大崎善生さんが、21世紀生まれの超新星について考える。(大崎善生)

 藤井聡太四段の快進撃が一向に止まらない。それどころか連勝を重ねるたびに加速していく感がある。

 世の中はまさに藤井フィーバーの真っただ中。羽生善治七冠誕生のときも羽生一色に染まったが、今回は実感的にそれを超えている。まだ中学3年生、14歳の少年が、その旋風を巻き起こす台風の目――。

 5月の末に愛知県瀬戸市の藤井家を訪れた。当時はデビュー以来19連勝中で、どうしてこんなことが起こるのか、母親や本人に会って確かめてみたくなったのだ。藤井君に会ってみて思ったのは本当にどこにでもいるような、頭のいい中学生という雰囲気だった。羽生善治や谷川浩司をはじめとした多くの天才少年を身近で見てきた私はまずそのことに拍子抜けした。こちらの質問にひとつひとつ言葉を選びながら答えてくれる。言葉に詰まることも多いが、待っているとゆっくりと考えてくれる。

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 そこには羽生、谷川ら多くの…

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