戦争を知らない、裸足の沖縄 海と人…写真でよみがえる

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沖縄タイムス・堀川幸太郎 朝日新聞・吉田拓史
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 沖縄戦からさかのぼること、ちょうど10年前。1935年の沖縄の人々の暮らしが、写真でよみがえった。はだしで走る少年や、フカ(サメ)取り名人――。そこに写っている人々は、これから沖縄に起こることを、まだ知らない。

糸満の漁村、いきいきと

 海から上がったばかりだろうか。麦わら帽をかぶり、長いダツなどの魚を運ぶ漁師。残された写真の説明には「釣った魚を舟の櫂(かい)に吊(つる)し、魚を運ぶ漁師 糸満で」とあった。

 写真の石積み護岸の形などから、現在の糸満市糸満、前端(まえばた)区にあった漁港、新島浜(みいじまばま)一帯とみられる。

 漁師の左側を走る子は、はだしだ。足元辺りは地ならしされているが、さらに奧は砂場のように地面が波打っている。奥には荷馬車が写る。

 糸満市糸満の漁業、玉城亀助さん(86)ら複数の人が「干潮時の浅瀬から海砂を運び出し、埋め立てに使った」と証言している。

 この写真を含め、糸満で撮影された写真には、子どもの姿が多く写っている。

 上田不二夫・沖縄大学名誉教…

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