教え子の死、上手に叱る温かさがあれば…… 悔やむ担任

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片山健志 大岩ゆり
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小さないのち 大切な君

 3月下旬の早朝だった。「生徒が亡くなった。すぐ学校に来てほしい」。兵庫県立高校に勤めていた男性教師は十数年前、校長からの電話に手が震えた。生徒指導で関わっていた1年生の男子生徒だという。学校に向かう間、自問を繰り返した。まさか自殺なんて。何でや、何でや……。

 前日、喫煙したとして校長室で指導したばかりの生徒だった。母親がいる前で校長と教頭が順に叱った。生徒指導部長だった男性教師も「反省せい」と注意した。処分は「無期限の家庭謹慎」。生徒は立ったままうつむき、涙を流していた。その夜、自宅を出て命を絶った。遺書はなかった。

 男子生徒は前年末、テストで…

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