生徒の生きづらさきっかけ 「命の教育」に取り組む学校

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片山健志
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小さないのち 大切な君

 自殺を防ぐための教育を授業に採り入れている学校を、記者が取材した。

 「もう消えたい。話しかけんといて」

 「1個しか命ないんやから、大事にしなさい」

 1月末、近畿地方の公立中学校。「総合的な学習の時間」に1年生が2人1組になり、「消えてしまいたい」と打ち明ける役と、打ち明けられる役を演じる「ロールプレー」に取り組んでいた。

 打ち明けられる側の生徒は「叱る」「励ます」「感情を理解する」の3パターンを演じてみて、感想を言い合う。「叱られたら、傷つくと思う」「励まされるのは結構よかった」――。生徒たちの受け止めはさまざまだ。

 担任(当時)の30代の女性教諭が語りかける。「どうしていいかわからないなら、よい聞き手になることで十分。でも自分たちで解決できない時は、信頼できる大人につないでほしい。あなたたちを見守っている人がたくさんいることを忘れんといてほしい」

 この中学校では15年度から「いのちの学習」に取り組む。兵庫県加古川市教育委員会の学校支援カウンセラー、阪中順子さんが作ったプログラムを元に、昨年度は全9回行った。友だちの気持ちを理解しようとする姿勢を教え、「心の危機」の時は信頼できる大人につないでほしいと伝える。自分が苦しい時にはゆっくり休む、電話で相談する、といった対処法も紹介する。

 この学校では、生徒たちの「…

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