沖縄、見える壁見えない壁 基地のフェンスより高い

有料記事

編集委員・真鍋弘樹
[PR]

 コンクリートの支柱で支えられた約3メートルのフェンスが歩道沿いに続く。柱は上部で外側に折れて有刺鉄線が3本張られ、金網の向こうには芝生が広がる。

 陸続きの国境を目にすることのない日本において、「壁」が存在するとしたら、それはどこだろうか。

 「外国との境界」を実感させられるのが米軍基地がある地域だ。沖縄本島の約15%を基地が占める沖縄県では、その「壁」の警備がより厳しくなっていた。

 4月6日、米軍普天間飛行場で、沖縄出身の84歳の男性が抗議活動中、ゲートの黄色い線を踏み越えたとして基地警備員に拘束され、県警に引き渡された。同日、名護市でも同様に女性が逮捕された。

 昨年には抗議グループのリーダー、山城博治(ひろじ)被告(64)が基地建設現場の有刺鉄線を切った容疑で逮捕され、他の容疑も併せて5カ月間、勾留された。

 「線を一歩でも踏み越えたら逮捕というケースが続いている。普通ではない」と男性に接見した弁護士は話す。

 それでも、沖縄の人々はフェンスよりも高い「壁」があると感じている。

ここから続き

 4月25日、県が強く反対し…

この記事は有料記事です。残り787文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら