村上テイストと喜悲劇がマッチ 「後妻業の女」(村上たかし)

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 【松尾慈子】新作が出る度に買ってしまう作家、村上たかし。本作「後妻業の女」(原作:黒川博行、脚本:鶴橋康夫)は、映画「後妻業の女」を漫画化したもの。「村上さんが原作つき?」と首をかしげながら読んでみると、これがびっくり。いつもの人情味あふれる村上テイストと、直木賞作家で大阪在住の黒川氏の描くコテコテの大阪人の喜悲劇がぴったりマッチしていた。

 後妻業とは、孤独な資産家に近づき後妻に収まって、夫を亡き者にしては遺産をいただく生業(なりわい)。ちょうど、原作小説「後妻業」の発売前後に、京都で現実の「後妻業」事件が発覚し、大きな話題となったのでご記憶の方も多いだろう。

 本作に登場する小夜子は後妻業の女の中でもやり手で鳴らし、結婚相談所の柏木を相棒に、8人もの男の後妻(内縁含む)として収まってきた。小夜子は9番目のターゲットとなる中瀬と内縁関係になるが、中瀬は2年後に死去。残された娘2人は小夜子の本性を知り、弁護士・守屋を味方に闘いを挑む。

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 次々と小金持ちの高齢独身男…

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