チャイルドシート嫌がられ… 母の運転で2歳の娘は

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津田六平
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小さないのち 道に潜む危険

 新潟市の保育園児、植木華奏(かなで)ちゃん(当時2)が、チャイルドシート(ジュニアシート)を嫌がりだしたのは2歳になったころからだった。

 母親(42)の乗用車で出かける時に座るイス型のシート。車のシートベルトで体を固定するタイプだが、つけさせてくれない。母親は「泣き叫ばれるよりはいい」と考え、ベルトをしないことを許してしまうことが多くなっていた。

 あの日も、そうだった。

 大型連休初日の昨年4月29日、母親は朝から県内の祖父宅に子ども3人を連れて遊びに出かけた。長女の華奏ちゃんはままごとセットをプレゼントしてもらい、終始ご機嫌だった。

 帰り道。家まであと5キロ弱だった。カーブを過ぎて直線に入った直後、車が道路の左手に飛び出した。道路わきの溝を突き進み、行く手にあったコンクリートの壁に衝突した。華奏ちゃんは意識不明で病院に運ばれ、亡くなった。

 車には3人の子どもが同乗していた。華奏ちゃんは後部座席の左側。その右側でジュニアシートに座っていた長男(5)もこの時はベルトで体を固定しておらず、肩などに軽いけがを負った。エアバッグが作動した助手席には生後9カ月だった次女がいたが、カゴ型のチャイルドシートに体を固定され、無事だった。

 母親は取材に「ウトウトして、気づいたらぶつかっていた」と語った。居眠り運転による事故の責任を問われ、執行猶予の付いた禁錮刑を今月言い渡された。

 母親は育休明けで、事故のあ…

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