過激ツイートで宣伝・実は潔癖性…トランプ氏とは

有料記事

ニューヨーク=畑中徹
[PR]

 暴言や失言、数々のスキャンダルもおかまいなしで大統領選を勝ち抜き、世界最強の軍事・経済大国のリーダーとなる「不動産王」トランプ氏。政治家経験がまったくない異色の実業家大統領だけに、政治手腕は未知数のままだ。

 トランプ氏は70歳。就任前からすでに型破りな政治スタイルの一端を見せるが、原点は長年のビジネスキャリアだ。

 1946年6月、ニューヨークで不動産会社を営むドイツ系の父とスコットランド系移民の母の間に、5人きょうだいの4番目として生まれた。米東部の名門ペンシルベニア大学ウォートン校で学んだ後、中産階級向けの住宅開発を手がける父の会社で働き、実業の世界に入った。

 71年に会社を引き継ぎ、ニューヨーク地区のオフィスビル開発やホテル経営に乗り出す。80年代は不動産ブームの追い風を受け、事業は急拡大。不動産王の異名をとり、「アメリカンドリーム」を体現する人物と評された。

 富と成功の象徴は、マンハッタンにそびえる超高層ビルのトランプ・タワー。83年に建設された金ピカのガラス張りのビル上階には本人や各界のセレブが暮らす。宝飾品大手ティファニー本店の隣で、観光名所にもなっている。

 80年代のビジネスは順風満帆だったが、90年代に景気が傾くと、トランプ氏の事業も行き詰まり、カジノ経営などで少なくとも4回破綻(はたん)した。数千億円規模の借金にまみれ、実業家としてのキャリアは完全に終わったかに見えた。

 しかし、自身が培った「トランプ・ブランド」に助けられるかたちで再起を果たす。不動産ビジネス以外にも、自身の名前を貸す名義料ビジネスで稼いだ。全米や世界にはトランプの名前が付くホテルやゴルフ場、香水、シャツ、衣類などがいまも売れている。

「名経営者」イメージ演出

 2000年代半ばからはテレビ番組やイベントにも多数出演し、タレントとしての地位を確立した。

 04年からはビジネスでの成功をめざす人々がさまざまな課題に挑戦するリアリティー番組「アプレンティス(見習い)」の司会を務め、「You are fired!(お前はクビだ)」の決めぜりふが流行した。番組を通じて、「最高のビジネスマン」のイメージが醸成された。

ここから続き

 そのころから、大統領選出馬…

この記事は有料記事です。残り1287文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら