震災の日に産声 22歳、母校へ「命の尊さを知る日」

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千種辰弥
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 震度7の揺れが多くの命を奪い、街を破壊した22年前の阪神・淡路大震災。不安や混乱、いらだちの中でも、被災者は助け合いや優しさを忘れなかった。当時の赤ちゃんはいま、22歳。震災の記憶はなくても、「1・17」の意味を感じている。

 多くの命が奪われた日、僕は産声を上げた――。神戸学院大学4年の中村翼さん(22)=神戸市兵庫区=は17日、母校の市立明親小学校(同区)で児童約610人に語りかけた。「1月17日は命の尊さを知ることができる日です」

 大学に入るまでの受け止めは違った。「偶然、震災の日に生まれただけで、どこか遠くの出来事だった」。父の転勤で小5で岐阜市に移ってからは「忘れていた」ほどだ。

 それが、大学の防災の講義であの日のことを詳しく知ると、変わった。命の尊さを伝えたいと、小学生に防災を教える出前授業に参加。東日本大震災で被災した宮城県石巻市でボランティアもした。卒論のテーマには「災害時の助け合いの大切さをどう伝えるか」を選んだ。

 執筆のため、昨年11月に両…

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