夏目漱石「吾輩は猫である」193
「臣死をだも辞せず、いわんや●(●はけいがしら+比の間に矢)肩(ていけん)をやと、一つ、こう行くかな」
「そう御出(おいで)になったと、よろしい。薫風南(みんなみ)より来(きた)って、殿閣微涼を生ず。こう、ついで置けば大丈夫なものだ」
「おや、ついだのは、さすが…
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