妻に会いたい、夢でもいいから 震災22年、喪失感今も

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金井和之
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 夢の中でもいい。妻に会いたい――。17日にある阪神・淡路大震災の追悼式典で、遺族代表として言葉を述べる会社員の大鳥居慎司さん(58)=大阪府和泉市=が7日、神戸市役所で記者会見し、22年前に亡くした妻への思いを語った。

 1995年1月16日。電車が好きだった4歳の長男のため、大鳥居さんは妻の裕美子さん(当時32)と長男、2歳の長女を連れて大阪市交通科学博物館を訪れた。

 翌朝。神戸市東灘区の自宅(木造2階建て)の1階で一緒に寝ていると、激しい揺れに襲われた。家は全壊。1階にいた全員が下敷きに。最初は「大丈夫」と言っていた裕美子さんからうめき声が聞こえるようになり、その声も消えた。

 約4時間後に救助されたとき、まだ裕美子さんの体にはぬくもりが残っていたが、脈はなかった。家族そろって休日の楽しい時を過ごしたわずか1日後に逝ってしまった妻。「その落差にがくぜんとしました」と大鳥居さんは振り返る。

 5年、10年たっても、裕美子さんのいない現実が受け入れられず、生きている夢を見続けた。次第に夢に見ることはなくなったが、いまも「夢の中でも妻に会いたい」と大鳥居さん。

 もし裕美子さんに会えたら…

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