赤ちゃん放置?命の危険に迷う暇ない(児相の現場から)

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第1章:一時保護(2)

 「赤ちゃんが家に放置されているかもしれない。どうしたらいいでしょうか」

 午後5時すぎ、児童相談所(児相)の管轄エリア内の市の担当者から電話が入った。保育園児と0歳児を抱える家庭でネグレクト育児放棄)が疑われるという。

 いきさつはこうだ。姉が保育園で発熱し、母親に電話したが、連絡がつかない。仕事中の父親に連絡すると、「妹の具合が悪かったので家にいるはず」と言った。

 半年ほど前、姉にあざが見つかり、母親が拳で殴ったことなどを認めたことがある家庭だった。保育園から連絡を受けた市が保健師を自宅に向かわせたが、母親は不在だった。以前にも赤ちゃんを置いて母親がパチンコに行っていたことがあったという。

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 赤ちゃんが虐待を受けると命の危険に直面する。2014年度に虐待で亡くなった18歳未満の子どもの約6割は0歳児だ。家に置き去りにされた赤ちゃんの救出劇を追った。

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 赤ちゃんの放置は命にかかわる。現場は神経質にならざるを得ない。この家は児相から車で1時間弱。迷っている暇はない。「とにかく行って。本当に放置されているのなら危険だから、保護して」と指示が飛んだ。

 虐待対応チームのワーカーの…

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