夏目漱石「吾輩は猫である」189

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 「先生」

 主人は武右衛門君に「そうさな」を繰り返していたところへ、先生と玄関から呼ばれたので、誰だろうとそっちを見ると半分ほど筋違(すじかい)に障子から食(は)み出している顔は正(まさ)しく寒月君である。「おい、御這入り」といったぎり坐っている。

 「御客ですか」と寒月君はや…

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