夏目漱石「吾輩は猫である」159
「いいえ、聞いた事もありません」
「心をどこに置こうぞ。敵の身の働(はたらき)に心を置けば、敵の身の働に心を取らるるなり。敵の太刀に心を置けば、敵の太刀に心を取らるるなり。敵を切らんと思う所に心を置けば、敵を切らんと思う所に心を取らるるなり。我(わが)太刀に心を置けば、我太刀に心を取らるるなり。われ切られじと思う所に心を置けば、切られじと思う所に心を取らるるなり。人の構(かまえ)に心を置けば、人の構に心を取らるるなり。とかく心の置き所はないとある」
「よく忘れずに暗誦(あんし…
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