(核リポート)封印解いた河野氏「東電は責任果たせ」

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小森敦司
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 事故を起こした東京電力は責任を果たせ、できないなら法的整理を――。自民党きっての脱原発派として知られ、5年前の福島第一原発事故のあと東電の法的整理論を唱えた河野太郎衆院議員が、経済産業省が検討を始めた東電に対する支援強化策に対し、フェイスブックなどで厳しい批判を続けている。昨年10月、第3次安倍改造内閣で初入閣し、事実上、脱原発の持論を封印していたが、閣僚を退任して「縛り」がなくなったのを機に、東電や原発をめぐる問題への対処法について語ってもらった。河野氏は筋を通すべきだとの「原則論」を改めて主張した。

人件費を切れ、発電所を売れ

 ――福島第一原発廃炉費用が巨額になりそうです。経産省はその費用を賄おうと託送料金に上乗せする策を検討し始めました。どう評価しますか。

 「東京電力は今も一部上場で株が取引されていますから、事故の賠償や原状回復は自前でやるのが当然です。例えば、ある企業が事故を起こして賠償する時、国に向かって『お金がないので助けて』と言っても、『オマエ、何を言っているんだ』となりますよね。なぜ、東電だけ、そんな特別扱いをするのでしょうか」

 「単純に考えたい。東電はその費用を捻出するために、人件費を切る、調達コストを下げる。それで足りないなら資産を売る。火力発電所を売ればいいじゃないですか。電力自由化時代、首都圏参入を考えて、どこかの企業が買うはず。なお足りないなら送電網を売る。それでも足りなければ、株式の減資や金融債権のカットをする。そうやって、逆立ちしても鼻血もでない、となって初めて、賠償はしっかりしないといけないので国が出て税金投入も、という話になる」

 「それが筋なのに、やらないというのは、事故の後、東電を法的整理せず、変な形で株式上場を継続させてしまったからではないでしょうか。私の主張は一貫しています。原発事故を起こしたのは東電。さっき言ったような形で、自分で責任を果たせ、と。それが、できないというのなら、法的整理しかありません」

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