怒濤(どとう)のアニメ新番組シーズンが始まりましたがそれは来週においといて、最近見たおすすめドキュメンタリー映画3本をご紹介しましょう。ライブの音と映像の鮮やかさに目を見張る「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK―The Touring Years」(公開中)、大女優の素顔の美しさにしびれる「イングリッド・バーグマン~愛に生きた女優~」(同)、殿堂の重みと名歌手・名指揮者の輝きが陶酔を呼ぶ「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」(12月23日公開)です。
共に27歳で亡くなった女性シンガーの生涯を追う音楽ドキュメンタリー映画2本、エイミー・ワインハウスの「AMY エイミー」(公開中)と、ジャニス・ジョプリンの「ジャニス:リトル・ガール・ブルー」(同)も素晴らしいですが、ビートルズ活動期前半に当たるツアー時代に焦点を当てた「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK」は真打ち登場といった趣です。目玉はもちろん、5.1chサラウンドサウンドと高解像度リマスター映像で体験する12本のコンサートシーン。昨年11月に出た「ザ・ビートルズ1」のブルーレイバージョンで見たミュージックビデオの美しさも仰天しましたが、大画面で見るライブの臨場感はただならぬものがあります。聴衆の狂乱ぶりと合わせて、のみ込まれるような熱気を感じます。
楽屋やホテルで見せるメンバー4人の仲良しっぷりも、切ないほどの幸福感で見る者を包んでくれます。まだ顔に少年らしさが残っているだけに余計に。1964年、米フロリダ州ジャクソンビルで公演を行う際、白人と黒人の座席を分けることを「バカげている」といってキッパリ拒んでみせる場面では、4人の純粋さと固い結束にすがすがしい感動を覚えます。このエピソード、監督のロン・ハワードも映画制作前は知らず、ポール・マッカートニーもすっかり忘れていたそうです。
存命のメンバーであるポールと…