国旗・プール…ミス連発の五輪 ラテンのノリで楽観対応

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リオ五輪取材班
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 南米で初めて開催中のリオデジャネイロ五輪は、取り仕切る側にとっても、初めての経験だ。開幕前から運営面の不手際やミスが後を絶たないが、ラテンのノリと楽観的な事後対応で、何とか切り抜けている。「人のふり見て我がふり直せ」という。4年後の東京五輪を見据え、笑い話のようにも思えてくる、リオの「失敗」をまとめた。

 開会式前後にはまず、国歌や国旗の問題が浮上した。4日、サッカー男子の日本―ナイジェリア戦前、ナイジェリア国歌ではなく、ニジェール国歌が流れた。ナイジェリア選手は皆、きょとんとしていた。試合前半の途中に謝罪のアナウンスが流れると、観客席にはブーイングと失笑が広がった。

 中国国旗の星の傾きにもミスが。本来は、左上の四つの小さな星の角が、それぞれ大きな星の中央を指していなければならないが、誤ったデザインでは四つの小さな星はいずれも水平に並んでいた。大会組織委員会広報のマリオ・アンドラーダ氏は、「犯人捜しをするよりも、一日も早く作り直すことが大事だ」と会見で説明し、ブラジル・サンパウロ州の工場に再発注。「本物」と差し替えられたのは、大会7日目の11日のことだった。

 「行き先」を間違える事態も。12日夜、競泳女子50メートル自由形準決勝に出場する選手を乗せたバスは、選手村近くにあるプールではなく、約14キロ離れた陸上競技場に到着。選手たちを仰天させた。組織委は、「運転手が陸上の五輪スタジアムと、五輪水泳スタジアムの頭文字が似ているため勘違いした」と弁明した。この影響で同種目のスタートは、1時間近く遅れ、午後11時過ぎのスタートとなった。

 水球とシンクロナイズド・スイミングが行われるプールでは、水の色が不気味な緑色に変色するトラブルもあった。原因について組織委は、契約業者が誤って過酸化水素を入れたためと説明。その結果、塩素の作用が弱まり、藻が大量発生したという。これには、シンクロナイズド・スイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチも「何なんだこれは。プールが緑なんて、日本の国体でもあり得へん」と渋い顔。組織委は試合が始まる前夜に急きょ水を入れ替えたが、日本選手の中には緑のプールでの練習で軽い目の痛みを訴える選手もいた。井村コーチは、「こういう時は笑って過ごす。みんな同じ条件」と選手を鼓舞し、デュエットのメダル獲得につなげた。

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