「応援団長」の娘と私、独り立ちのリオ 射撃・中山

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原田亜紀夫
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 いつもそばにいてくれた「応援団長」はこの夏、リオデジャネイロにはいない――。クレー射撃の女子トラップで自身4度目の五輪に挑む中山由起枝(37)=日立建機=にとって、リオは一人娘の芽生(めい)さん(14)を日本に残して迎える初めての舞台となる。

 「ママ、ロンドンまででやめてね」。中山が4位だった2008年北京五輪。銅メダルがかかった勝負の1発を外した直後、当時6歳だった芽生さんに、半べそをかきながら言われた。中山はシングルマザー。遠征で何カ月も家を空ける母への恋しさが、娘の言葉からあふれ出た、と感じた。

 4年後のロンドン五輪では、10歳になった芽生さんが現地で報道陣に手書きの名刺を配った。「応援団長」の文字。しかし、中山は予選落ちした。またも涙ぐんだ娘を抱いて、中山は聞いた。「また4年後もやっていい?」

 6月中旬、神奈川・伊勢原射撃場で3大会連続4回目の五輪に向けて調整していた中山は、豪快に笑って言った。「娘はもうあきらめたみたいですね。たぶんこの人やめないな、と気づいたみたい」。ロンドン五輪の翌13年、ペルーでの世界選手権で日本女子歴代最高の2位となり、かつてない自信を胸に、リオへ乗り込もうとしている。

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 芽生さんは今、中山の母校で…

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