(関西食百景)ここだけの話―6月18日配信

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石倉徹也
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(取材余話)「奈良にうまいもんなし」の噂を検証

 今回の取材で、鶏をしめる作業を初めてみた。ナイフを持った養鶏家の中家雅人さん(36)の動きに、ちゅうちょはない。一言も話さず、作業は淡々と続いた。首の脈を切られた鶏がばたばたとする姿は残酷に映った。

 弟の智さん(30)も「最初はつらかった」と話す。「だけど自分で育てて自分でしめる。命のありがたみに触れられる仕事だと気づいた」。兄と2人で、約7千羽の鶏の世話に精を出している。

 1982年に生産が始まった大和肉鶏。生みの親、奈良県畜産試験場(現・県畜産技術センター)の元研究員の甲斐博文さん(76)に取材を申し込むと、最初は「30年以上前でほとんど覚えていないよ」。だが、自宅で話を伺うと、次第に口調は熱を帯びた。

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 学生時代は、信州大で鶏の畜…

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