NBA挑戦、並里成の思い スラムダンク奨学金1期生

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構成・清水寿之
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 漫画「スラムダンク」の作者・井上雄彦さん(49)とバスケット選手との対談企画の第2回は、この夏の全米プロバスケットボール協会(NBA)への挑戦を表明した並里成(なりと)選手(26)。

 井上 高校を卒業した選手のチャンスを広げたいと思って立ち上げた、スラムダンク奨学金制度の一期生がナリ(並里)。米国留学を経て、トップ選手として活躍してくれている。感謝を伝えたかった。

 並里 留学の機会をつくってもらったことが、本当にありがたくて。僕のいまの目標はNBAの舞台に立つことですが、奨学金がなかったら、とっくに諦めていたかもしれません。

 井上 2006年に手探りで制度を立ち上げて、応募してくれる人がいるのかなって思っていた。先輩もおらず、何も分からない状態からスタートして、ここまでやってきてくれた。その後、奨学金に応募してくれた子どもたちの中には、「並里さんが米国へ行っている記事を見て自分もと思った」と言う人も多い。おかげで、奨学金は今も続いています。ところで、米国で苦労したことは?

 並里 最初は言葉の壁。あとは、文化の違いですね。周りから何か言われたとき、きつい言い方だなと感じていました。でも、時間がたち、いろいろな人を見ているうちに、僕のことを思って言ってくれているんだなと気づくことができた。

 身長をハンディだと思ったことは、あまりないです。スピードだけは誰にも負けない自信があるので。相手にブロックされたら、ふわっと浮かせるようなシュートで狙う、といったことを小さいときから自然にやっていました。いまはバスケも進化してきて、小さい選手が活躍できる作戦も出てきている。

 井上 そこは本当に、みんなで声をあげていくべきところですよね。バスケを知らない人ほど、どうせ背の高い人のスポーツでしょと言いがち。そういう思い込みから破壊しないと、日本の現状は変えられないと思う。ナリのプレーを見ていると、小さいことのハンディを感じないわけですから。

 並里 僕もプレーしていて、相手が2メートルの身長でもあまり大きく感じない。普段、一緒に歩くときは違うんですけどね。コートの上での僕の態度がでかいからでしょうかね。

 井上 留学先では、いまNB…

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