ぼくの死体は流れ星(小原篤のアニマゲ丼)

有料記事

[PR]

 子どもの落書きみたいな絵のアニメというと、この前ご紹介したブラジルの長編「父を探して」がありましたが、今度はカルト的人気を誇る米の短編作家ドン・ハーツフェルトさんの特集が、いま東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで上映中です。「子どもの絵のようなシンプルなキャラクターを使う理由は、一つには専門的な絵の勉強をしていなかったから。もう一つは、観客が自分自身を投影しやすいからだ」と語るハーツフェルトさんが2月に来日した時インタビューしましたので、今回はそのお話をたっぷりと。

 1976年生まれ。独学で14歳からアニメ作りを始めたハーツフェルトさんの作品は、マルチョンの顔にハリガネ手足といった超シンプルなキャラクターがまず目を引きます。内容は、他者への嫌悪、周囲からの孤立、肉体に対する違和、破壊衝動、死への恐れ(憧れ)、幻覚や記憶障害といったモチーフがひりひり、ちくちくと神経にさわる一方で、下品で残酷なギャグが解放感をもたらし、内省的なナレーションによって静謐(せいひつ)な詩情が漂う独特の世界。裏路地のゴミためから大星雲のかなたへ飛ぶようなトリップ感とスケール感があり、人によっては中毒性があるのではないでしょうか。

 現在上映中の「明日の世界 ドン・ハーツフェルト作品集」は、最新作「明日の世界」(17分)と、ビルを主人公とした「きっと全て大丈夫」「あなたは私の誇り」「なんて素敵な日」の3部作をまとめた特別編集版「きっと全て大丈夫」(62分)です。

ここから続き

 傷つき惑えるビルが世界の美…

この記事は有料記事です。残り1680文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら