夏目漱石「吾輩は猫である」33
「奥さんがですか」と寒月が聞く。
「なに細君はぴんぴんしていらあね。僕がさ。何だか穴の明いた風船玉のように一度に萎縮(いしゅく)する感じが起ると思うと、もう眼がぐらぐらして動けなくなった」
「急病だね」と迷亭が註釈を…
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